2013年7月10日水曜日

傑作『最強のふたり』

『最強のふたり』を見た。

フランス映画だとは知らずに借りてきたんだけど、よかった。


実話ベースで、首から下が麻痺している富豪と、どういうわけか彼の世話をすることを仕事として得た貧困層の青年のバディものとでも言えばいいのか、そういうストーリー。


この映画はいい。先日別のエントリーで書いた『マネーボール』も最近見た中では大好きな映画だったけど、これも傑作の一つだと思う。

出てくるキャストがおおむねいいのがその要因のひとつ。
左は秘書の女性、真ん中が富豪、右が明るい青年


主演の富豪も、彼を“障害者”ではなくひとりの人間としてごくごく自然な付き合いをする青年も。そのくせ“障害”をネタにしたブラックユーモアも披露するというのも笑える。
とくに終盤、クライマックス直前の「ナチス風障害者」の件は切なくも笑える名シーンの一つだ。
ちょび髭で前髪おろしてヒトラー風にして遊ばれる富豪


ほかにも、富豪の秘書役として出てくる女性2人も魅力を放っている。ひとりは、最初の写真に写っている女性なんだけど、登場直後はあまり印象に残らず、残ってもいい印象はない。にもかかわらず、終わるころには良い感じです。

もうひとりの秘書を演じたオドレイ・フルーロはいい。この映画の中では一目惚れしました。
ぜひ見てほしい。
もうひとりの秘書マガリー役のオドレイ・フルーロ


少しだけ残念な点をあげるとしたら、富豪の娘のパートが本流ではないにしろ、もう少し描かれててもいいかなと感じたことがある。青年の弟のプロットが無音とはいえ、一応のケリをつけたのに対して娘の方はそうではない、という印象なので。

もうひとつは、青年が“クビ”になった理由がはっきりとわからなかった。これは自分の理解力のなさかもしれないけど。

考えられるのは、富豪が青年の家庭環境を具体的に知り、気持ち的に悪い意味でひいた、というもの。あるいは、家庭環境を知ったことで、青年の家族には彼が必要だと思い、ほぼ一日中拘束せざるを得ない今の仕事から開放したかったから、というもの。
映画の本編では、このシークエンスの前に富豪の娘の態度の悪さに、青年が“しつけ”の必要性を説いたシーンがあるので、後者が近いような気はする。


ともかく、いくつかの気になる点はあるが、この映画は非常に良かった。

映画冒頭の緊迫した導入部分から想像したエンディングとは大きく異る展開も個人的にはツボった。クライマックスについては、しっかり見てれば見通せるんだけど、見通せることの安心感と喜びはこの映画ならでは、と言えるのではないかな。


この映画はオススメです。



最強のふたりコレクターズ・エディション(2枚組)(初回限定仕様) [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント (2013-03-22)
売り上げランキング: 483

0 件のコメント:

コメントを投稿