ブラッド・ピットは実在の人物ビリー・ビーンを演じる |
見る前はバリバリの野球映画かと思っていたんで、それほど興味を引かれていなかったんだけど、別の機会に借りたDVDに収録されていた予告編を見て、いっきに引きこまれたので借りてみた。
結論的には、とてもオモシロイので200円で売りに出されていたレンタル中古品を購入した。
ストーリーは、弱小貧乏球団が金持ち強者球団を、異例の戦略で打ち倒すというジャイアントキリングなもの。
この中で気に入ったのは、セイバーメトリクス理論をもとに選手の価値を見出す若きアナリスト、ピーターです。
若きアナリスト ピーター・ブランド |
このピーターのアイディアを得て、ブラッド・ピット演ずるビリー・ビーンGMは強硬にチームの改革を進めていくんですね。
改革とは、これまで重視されていなかった要素、すなわち「出塁率」を最重要指標として選手を獲得・放出していくチームビルディングです。
こういうストーリーは、ジャイアントキリングであること、これまでにない革新的なチームビルドなど「光」の面が強調されるんですが、この映画だとその「ダークサイド」をそれなりにエグく描いています。
それは、従来の「打つ、投げる、走る」という要素に加えて、結局は誰も保証できない「将来性」や選手の「イケメン度」などを包括したスカウトの“勘”を信頼してきたやり方を否定するもの。だからこそ、従来のスカウト連中からは愛想つかされる場面もあります。
ここは好きですね。
その“勘”や「将来性」をある意味で誰よりも信用していないのが、このビリー・ビーンであるということがいいです。
(なぜ誰よりも信用していないのかは、この映画を見ればよくわかります)
ビリー・ビーンが離婚していること、極度の負けず嫌いであること、自分が信じたセイバーメトリクスと心中するだけの腹を決める態度、いずれもがカッコよく、ブラッド・ピットが演じているからこそ説得力があるものとなっていると思いました。
それに、ビリーは野球経験がまったくないピーターをしっかりと信頼しているんですよね。予算の少ない中でチーム再建を求められ、それしか頼る術がなかったということもあるかもしれませんが、この映画の中ではそういう要素は感じられず、信頼と友情がかいま見えるのもgood
ビリーに出会うまでは、その異色な分析眼は信頼を得られないと自覚し、うちに潜めていたピーター。
ビリーのような上司に巡りあったピーターも幸せな再スタートを切った、と言えるでしょう。
これはトム・クルーズの『ザ・エージェント』に匹敵する、プロスポーツの世界の裏側を描く名画である。そう断言出来ます。
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