2013年6月3日月曜日

そもそも「耕作放棄地」ですから……

農業の「成長戦略」、実現性は?/木暮太一のやさしい経済ニュース解説

こちらのニュースというかブログ。

アベノミクスで示された農業の「成長戦略」に対する疑問がわかりやすくまとめられています。

諸外国に対抗できるようになるには、結局農地の規模を拡大してどれだけ効率化できるか、ということなんだけど、オーストラリア、アメリカなどの耕作面積と比較したグラフで、それがどれだけ眉唾ものかがよくわかります。

詳細はリンク先を見てもらえばいいと思う。
読みやすく文章量も少ないので時間もかかりません。

ただ、リンク先で触れられていない点について、一応追加しておきたいことがひとつ。


使われていない耕作放棄地を活用、という話について。
リンク先では、活用しても諸外国との競争力を獲得するほどのレベルではない、ということを示しています。

ここでは、そもそも「使われていない耕作放棄地」について話しておきたいです。

簡単な話です。

「使われていない耕作放棄地」はなぜ生じたか。


もう一度農業の競争力について確認すると、一番重要なのは面積の集約でしょう。
広くすればそれだけ効率化できますから。

農機だって大規模なものが導入できるし、そうすれば労働時間も短縮できる。
そしたら、さらに規模拡大もできるだろうし、他の品目栽培も検討の余地があるかもしれません。

では、日本ではなぜ耕作放棄地が発生したか。作られなくなったのには理由があります

ひとつはコメの過剰生産からくる減反政策でしょう。

もうひとつはもっと単純で、作るには効率が悪いから。
農地が狭小だったり、形が悪かったり、水はけが悪かったり、陽当りが悪かったりといろんな理由がありえるでしょう。

全体的な傾向としては、とにかく作るのに不向きなところから放棄されています

ということは、です。

そんな「作るのに不向きな」農地を、いまさら集約したとして、本当に効率化ができるのか?

しかも、それを集約しても外国には対抗できないレベルです。


不向きだから作らなくなった農地を再度集約、というのはちょっとナンセンスかなと。

じゃあ、ほ場整備してやりますか?
担い手は?それでも諸外国に対抗できるだけの面積には到底成り得ないけど?


まあ、もちろん別の事情で条件は悪くないけど作られなくなっている農地もあるでしょうけど、それは全体から見ればごくわずかでしょう。

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