2013年5月22日水曜日

まちづくりの局面で「サロン」が抱える課題

昨日の続き。

会議の効用


「会議は少ないほどいい」という合理性ベースの考え方は、まちづくり関係では、少なくともスタートアップ時には避けたほうがいい、という話を書きました。

そこでは、効用として顔を合わせることの意義を強調しました。

会議を効率化、合理化という一方的な視点でのみ判断するのではなく、顔を合わせることの効用、一堂に会しての意思決定の「プロセス共有」などを重視してほしいですね。

顔を合わせるということについて、古くから「サロン」の重要性が指摘されています。

しかし、個人的にはこの「サロン」については、少し弱さを感じていました。
自分の中での「サロン」のイメージは、誰でもその場・空間に参加でき、世間話でも好きな話をすることでコミュニケーションが活発化されること、写真や書画の展示も一緒に行い楽しむ、というものです。

サロンの特徴について簡単に整理すると

  • オープンアクセス
  • 地域との密着性
  • 日常の延長(世間話)
  • 写真・書画の展示会場


こんな特徴を持っているのかなと個人的には認識しているのが「サロン」。
これの何が弱いと感じているかを一言で言えば「具体的なアクションにつながる仕掛けがない」ということです。

地域住民がどこかオープンアクセスな場に自然と集まり、世間話をしてしばらくして帰る。
こういう機能が地域の中にしっかりとビルトインされていると、いいなと思います。お年寄りも、世間話するために家を出てみる。引きこもらない仕掛けになりますから。

地域住民同士の交流、コミュニケーションを促すことだけが目的なら、これでいいと思います。


でも、そこでの話の内容は、「これからどうする」とか「どうしたい」とかアクションを考えることを目的としないでしょう。
そういう話がしたいなら、どうぞ別の場所で、と言われるのが落ちでしょう。

まちづくりなどを推し進めようとする時、仲間候補を見つけて一緒になって何かをしようとする時、この「サロン」では難しいのかなと思います。

そんなことを、いくつかの地域でまちづくりに関わっていると感じます。
頻繁にとは言わないけどもう少し主要な人たちで集まって話をしないと、進めるのが難しいなと思うことがあります。
そんな時、とある概念に出会いました。根本的には「サロン」と似ているところが多いのですが、そこに「アクションにつなげる」ことを意識的に組み込んだ場・空間です。
それが、「フューチャーセンター」というものでした。

これについては、また別の機会で書きたいと思います。

参考になる本はこちら。

フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み
野村 恭彦
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